ChatGPTだけ見ていれば十分?同じブランドを4つのAIエンジンで実測したら、差は3倍以上でした

    執筆:TriloAI 編集チーム公開:更新:

    「ツールで調べたら、ChatGPTはうちに触れていませんでした」。一見すると結論のように聞こえますが、実は問いの4分の1にしか答えていません。

    同じブランドでも、4つのエンジンでこれだけ違う

    以下は、当社が実際に行った 2 回のスキャンのプラットフォーム別の結果です。1 行目は 2026 年 8 月 17 日の TriloAI のスキャン、2 行目は 8 月 23 日の GEO by TriloAI のスキャン(この回は AI による概要を含めていません)で、ブランド・質問・プラットフォームの構成が異なるため、行どうしは比較できません。見るべきは、同じ行の中でプラットフォームごとにどれだけ違うかです。

    ブランド/日付ChatGPTGeminiPerplexityAI による概要
    TriloAI(2026-08-17)5.2%7.9%0%0%
    GEO by TriloAI(2026-08-23)1.8%5.5%1.8%この回は計測対象外

    1組目では、GeminiはChatGPTの1.5倍、Perplexity と AI による概要はどちらも0でした。2組目ではGeminiがChatGPTの3倍です。もしPerplexityだけを調べていたら、1つ目のブランドはまったく存在しないように見えます。Geminiだけなら、まずまずの状態に見えるでしょう。同じスキャン、同じ質問でも、見るプラットフォームを変えるだけで結論が変わります。

    これは、どちらの計測がより正確かという話ではありません。4つの数字はすべて正しいのです。それぞれが独立した検索・順位付けのロジックを持つ、4つのシステムの違いを映し出しています。

    なぜここまで差が出るのか

    • 参照する情報源が違う。Perplexityはリアルタイムのウェブ検索に大きく依存し、ChatGPTは学習済みの知識とリアルタイムの閲覧を組み合わせ、Geminiはまた独自のインデックスを持っています。
    • 回答の長さと構成が違う。複数のブランドを並べる傾向のエンジンもあれば、1つだけ推薦する傾向のエンジンもあり、リストに入る確率は大きく変わります。
    • 更新のタイミングが違う。サイトを改修しても、各エンジンが再クロールする時期はばらばらなので、短期的には結果がそろわないのが自然です。

    さらに混同しやすいポイント:GoogleにはAI画面が3つある

    GoogleのAIは1つのシステムだと思われがちですが、実際には少なくとも3つの独立した画面があり、引用する情報源も回答内容も異なります。

    画面表示される場所特徴
    AI による概要(AI Overviews)通常の検索結果ページ上部の要約従来の検索結果と一緒に表示され、すべての検索で表示されるわけではない
    AIモード検索ページ内の独立したタブ対話型の画面で、参照したサイト数が表示される
    Gemini独立したアプリとウェブサイト本格的な対話型アシスタント

    当社自身もこの状況に遭遇しました。ある計測では AI による概要が 0% だったのに、同じ時期のGoogleのAIモードの回答では推薦リストに入っていたのです。両者は矛盾しません。そもそも別のシステムだからです。

    ですから「GoogleのAIでお見かけしました」と言われたら、まずどの画面のことかを確認する価値があります。

    単一エンジンだけを見ると陥りがちな判断ミス

    1. 現状の見誤り:0%という結果だけで可視性がまったくないと判断してしまう。実際には別のプラットフォームで好成績を上げているかもしれません。
    2. 効果の見誤り:施策後に1つのエンジンで変化がないだけで効果なしと判断してしまう。ほかのエンジンではすでに引用され始めているかもしれません。
    3. 競合の見誤り:エンジンごとに挙がる競合リストが違うため、1つだけ見ていると本当のライバルを見落とします。
    4. 投資先の見誤り:エンジンによって重視するシグナルは完全には同じではないため、1つのエンジンの好みだけに最適化すると、労力の割に成果が出にくくなります。

    では、すべて調べる必要があるのか

    現実的なおすすめは、検索ロジックが大きく異なるエンジンを少なくとも2つ以上カバーすることです。2つに絞るなら、ChatGPTに加えて、リアルタイム検索への依存度が高いエンジン(たとえばPerplexity)を組み合わせると、最も多くの情報が得られることが多いです。前者はモデルの記憶を、後者はその時点でのウェブコンテンツの引用されやすさを反映します。

    ただし、そのレポートをクライアントや上司に提出するのであれば、主要プラットフォームが1つでも欠けていると必ず質問されます。当社のフル分析が標準で ChatGPT・Gemini・Perplexity・Google の AI による概要・Claude の 5 つのプラットフォームを同時に調べているのはそのためです(中国市場では DeepSeek・Kimi・通義千問の 3 つ)。上の 2 回の実測はフル分析に Claude を加える前に行ったもので、表に Claude は含まれていません。クライアントへの説明のしかたはAI 可視性レポートの見せ方にまとめています。

    どのエンジンがいちばん重要ですか?

    顧客層が何を使っているかによります。ChatGPT はユーザーが自分から開いて質問するツールで、Google の AI による概要は普通に検索したときに表示されるため、わざわざ AI ツールを開く必要がありません。両者は性質が異なるため、どちらがより重要とは一概に言えません。当社のフル分析が標準で 5 つのプラットフォームを同時に計測しているのはそのためです。

    なぜ1つのエンジンしか調べないツールがあるのですか?

    コストです。エンジンが1つ増えるごとに、APIの費用とエンジニアリングの保守負担が増えます。そうしたツールが役に立たないわけではありませんが、得られるのは全体の一部だということは知っておくべきです。

    5つのプラットフォームのスコアは、どうやって1つの数字にまとめるのですか?

    当社ではプラットフォームごとの重みをつけて合算し(重みは可視性の計算方法を参照)、レポートにはプラットフォーム別の内訳も併せて残しています。総合スコアは傾向を把握するのに便利ですが、意思決定は内訳を見て行うべきです。総合3%でも、すべてのプラットフォームが3%の場合もあれば、1つだけが突出して高く残りはすべて0%の場合もあり、取るべき行動はまったく異なります。