ChatGPT、Gemini、Perplexity、Google の AI による概要、Claude はそれぞれどう推薦先を選んでいるか
執筆:TriloAI 編集チーム公開:
推薦先の選び方は、5 つの AI サービスでそれぞれ違います。Perplexity は質問のたびにウェブをリアルタイムで検索し、回答に番号付きの出典を付けます。ChatGPT と Claude は、最新の情報が必要な質問のときにウェブを検索します。Google の AI による概要は、役に立つとシステムが判断したときだけ表示され、内容は Google の検索インデックスから取ってきます。Gemini は、回答の一部が Google 検索の結果に基づいています。選び方のルールをすべて公開している会社はありません。同じブランドでもサービスによって結果が大きく違うことがよくあるので、サービスごとに分けて見る必要があります。
以下に引く各社の説明は、すべて公式のヘルプやドキュメントから取り、2026 年 10 月 16 日に一つずつ開いて確かめました。公式の説明にない当社の実測は、そう明記しています。
ウェブを検索するかどうかで、AI が古い記憶で答えるか今のページで答えるかが決まります
AI が質問に答えるときの材料は二つあります。一つはモデルの学習時に覚えた内容で、これには期限があります。Claude の各モデルには知識のカットオフがあり、それ以降の出来事をモデルが知らない可能性がある、と Anthropic は明記しています(Anthropic のヘルプ)。もう一つは、回答する時点でウェブを検索し、見つかったページをもとに答えをまとめるやり方です。この差は、お店にとって小さくありません。記憶で答える場合、先月開いた支店や変更した営業時間を AI は知らないかもしれません。ウェブを検索するときにはじめて、自社のページが読まれ、リンクが付く可能性が出てきます。
検索のタイミングについての公式の説明は、次のとおりです。
- ChatGPT:質問への回答に最新情報が役立つ場合は、自動でウェブを検索することがあります。ツールのメニューから「検索」を選んで手動で検索することもでき、ログインしていなくても使えます(OpenAI ヘルプ「ChatGPT でウェブを検索する」)。
- Claude:最新情報が役に立つ話題を質問されると検索ツールを使い、リアルタイムのウェブの内容を根拠に回答します。Team と Enterprise のプランでは、先に管理者が有効にする必要があります。新しい Claude の画面には切り替えのボタンがなく、必要に応じて検索します(Anthropic のヘルプ)。
- Perplexity:質問されるとリアルタイムでウェブを検索し、見つかった内容を整理して回答します(Perplexity のヘルプセンター(英語))。
- Google の AI による概要:従来の検索結果に付加価値があるとシステムが判断した場合にだけ表示され、表示されないことも多いと Google 自身が書いています(Google「AI 機能とウェブサイト」)。AI モードは、質問をサブトピックに分け、それぞれを同時に検索します(AI モードのヘルプ)。
- Gemini:Gemini の回答の一部は Google 検索の検索結果に基づいている、と Google は説明しています。すべての回答がそうではありません(Gemini アプリのプライバシー ハブ)。
5 つのサービスは情報の取り方もリンクの付け方も違います
公式の説明を並べると、違いがよくわかります。表には公式に書かれていることだけを入れました。書かれていない欄は「公開されていない」としています。
| サービス | 情報をどこから取るか | 情報源のリンクを付けるか | サイト側で管理できること |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | ウェブ検索。ほかの検索サービスと連携し、質問を 1 つ以上の検索クエリに書き換えて送ることがあると OpenAI は説明。各連携先の役割分担は公開されていない | ウェブ検索を使った回答には引用が含まれる場合があり、「情報源」を選ぶと引用元や関連リンクを確認できる | robots.txt で OAI-SearchBot を許可する。ホストや CDN で、OpenAI が公開している IP アドレスを許可する |
| Gemini | 回答の一部が Google 検索の結果に基づく | すべての回答に付くわけではない。ある場合は[ソース]ボタンが表示され、ウェブページから大量のテキストを直接引用したときはそのページのリンクがソースの一覧に載る(Gemini アプリのヘルプ) | Google-Extended で、Gemini アプリが回答するときにサイトの内容を参照できるかどうかを管理する |
| Google の AI による概要と AI モード | Google の検索インデックス。コア ランキング システムで関連するページを取得し、それをもとに回答を生成する(Google はグラウンディングと呼んでいる) | リンクを表示する。AI モードは回答に十分な信頼性がないとき、一連のウェブリンクを表示することがある | インデックスに登録され、スニペットが表示されるページにする。Search Console の検索の生成 AI 設定で「含める」か「除外する」を選べる |
| Perplexity | リアルタイムのウェブ検索で、記事、ウェブサイト、学術誌などから情報を集める。検索結果でのサイトの表示とリンクは PerplexityBot が担う | すべての回答に番号付きの引用が付く | robots.txt で PerplexityBot を許可する。ファイアウォールがあれば、公式の手順で許可ルールに加える |
| Claude | 検索ツールでリアルタイムのウェブの内容を取得する。テキスト検索にどの検索サービスを使っているかは公開されていない | ウェブ検索を使った回答にはすべて引用が付く | robots.txt で Claude-SearchBot と Claude-User を許可する |
表の外にも、人によって結果が変わる要因があります。ChatGPT は、IP アドレスに基づくおおよその位置情報を使って地域の結果を探します。メモリが有効なら、保存されたメモリを検索クエリに入れることもあります。OpenAI が挙げている例では、ヴィーガンでサンフランシスコ在住だと共有している人が近くのおすすめレストランを尋ねると、「サンフランシスコ おすすめ ヴィーガンレストラン」と検索することがあるそうです。Claude も、地域に関する質問に答えるとき、IP アドレスから推測した位置を使うことがあります。自分のパソコンで見た答えは、お客様の答えと同じとは限りません。
言及されることと引用されることは別物です
「言及」は AI が回答の中で名前を挙げること、「引用」は AI が自社のページを情報源としてリンク付きで示すことです。この二つは別々に起こります。たとえば「福岡で子連れで行きやすいカフェ」と聞かれた AI が、学習時の印象からあるお店の名前を挙げながら、そのお店の URL は付けないことがあります。逆に、あるお店のメニューのページを引用しておきながら、最終的には別のお店を推薦することもあります。お店も質問も架空の例です。
分けて考えるのは、それぞれに至る道筋が違うからです。引用には、少なくとも一つはっきりした前提があります。自社のページが各サービスの検索用クローラーに読まれ、収集されていることです。OpenAI、Perplexity、Google の公式説明がそう書いています。言及のほうは、それほど明確な道筋がありません。誰の名前を挙げるかの決め方は、どの会社も説明していないからです。
公式のレポートで数えているのも、多くは URL です。Google Search Console の生成 AI パフォーマンス レポートは、AI による概要と AI モードで自社の URL が表示された回数を数えます(Google の発表)。Bing Webmaster Tools の AI Performance が数えるのは、Copilot と Bing の AI 生成の要約で自社のページが情報源として示された回数です(Bing の発表(英語))。定義から考えると、AI が店名だけを挙げて URL を付けなかった場合は、どちらのレポートにも数えられません。名前だけの言及は、レポートの外にあります。ChatGPT、Perplexity、Claude については、サイト所有者向けの公式のパフォーマンス レポートは見つかりませんでした。
同じブランドでもサービスによって結果が大きく違うので、サービスごとに分けて見ます
公式の説明を見るだけでも、共通点はほとんどありません。クローラーとインデックスはそれぞれ別で(OAI-SearchBot、PerplexityBot、Claude-SearchBot、Googlebot)、ウェブを検索するかどうかを決めるタイミングも、検索クエリの書き換え方も違います。Google 自身も、AI モードと AI による概要では使うモデルや手法が異なる場合があり、表示される回答やリンクも違ってくると説明しています。
当社が同じブランド・同じ質問で実測したときも、サービス間で可視性に 3 倍以上の差が出ました(実測データ)。同じサービスでも、同じ 14 問をもう一度尋ねると、言及率は 1 回目が 31.5%、2 回目が 41.7% でした(計測方法)。一つのサービスの一回の結果は、結論になりません。5 つを合計点にまとめるのも避けます。
自分で追跡するなら、記録はサービスごとに分けます。手順は次のとおりです。
- お客様が実際に聞きそうで、自社名を含まない質問を 10 問ほど書き出します。たとえば「福岡で子連れで行きやすいカフェ」のような形です(地名と業種は例です)。
- 同じ質問を ChatGPT、Gemini、Perplexity、Google の AI による概要、Claude にそれぞれ聞き、サービスごとに列を分けて記録します。まとめません。
- 質問ごとに、自社が挙がったか、自社のページが引用されたか、どの URL が引用されたかを書きます。
- ログインしなくても使えるサービスは、シークレットウィンドウでログインせずに聞きます。ログインが必要なサービスでは、チャット履歴のないアカウントを使います。毎回、日付を書きます。
- 同じ質問は少なくとも 2 回聞き、1 回の値より幅を見ます。翌月もまったく同じ質問で聞けば、変化を比べられます。
AI があるページを選んだ本当の理由は誰にもわかりません
各社が公開しているのは、大まかな方向だけです。OpenAI によると、ChatGPT は関連性と信頼性の高い情報を見つけられるよう複数の要素で検索結果を順位付けしていて、掲載は保証されません。Google は、生成 AI 機能はコアとなる検索ランキングと品質システムに根差していると説明しています。ランキング システムで関連するページを取得し、そのページをもとに回答を生成します。その過程では、関連する複数のクエリを同時に発行する「クエリ ファンアウト」も使います(Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する)。同じガイドには、サードパーティのツールは Google 内部のランキング システムにも AI システムにもアクセスできない、とも書かれています。「AI がこのページを選んだのはこの理由だ」と言い切る人がいても、それは推測です。当社も同じです。
公開されている研究から言えることも限られています。GEO(生成エンジン最適化。日本では LLMO 対策・AIO 対策と呼ばれることもあります)という名前を提案したのは、2023 年に公開され、2024 年に国際会議 KDD に採択された論文です(arXiv 2311.09735)。研究者は独自の仕組みを作り、Google 検索の上位 5 件の情報源を GPT-3.5 に渡して回答を生成させ、ウェブページを書き換える 9 つの方法を試しました。効果には差がありました。出典を示す、信頼できる情報源から引用する、統計の数字を入れる、の三つは、可視性の指標の一つで相対的に 30〜40% 向上しました。従来の SEO でよくあるキーワードの詰め込みは効果が低く、分野によって効果が違い、もともと順位が低かったページほど大きく伸びたという結果です。Perplexity でも試していて、可視性は最大 37% 向上しています。
この研究には限界もあります。実験に使ったのは研究者の仕組みと 2023 年のモデルで、今の ChatGPT や Google の AI による概要ではありません。「わかりやすく書かれ、出典と数字がある内容は採用されやすい」という方向性の参考にはなっても、保証にはなりません。当社自身の観察も、参考にとどまります。自社サイトは当初、AI での可視性が 3.4% で、39 件の引用元に自社ドメインは一つもありませんでした。レポートに沿って 4 つの対策をしたあと、ChatGPT が当社のサービスページを実際に引用しています(経緯の全体)。一つのブランドを一度観察しただけの結果です。4 つの対策は同時に行ったので、どれが効いたのかは区別できません。
できることはサービスごとに分けて進めます
共通の作業から始めます。
- すべてのサービスに共通:robots.txt と CDN で検索用のクローラーを許可します。手順は「サイトの技術チェックリスト」にまとめています。内容の面では、体験談や自分の視点のように、ほかにない一次情報を書くよう Google は勧めています。ネット上にすでにあることを言い換えるだけでは足りません。
- ChatGPT:OAI-SearchBot を許可し、ホストや CDN が OpenAI の公開している IP アドレスを許可しているかを確かめます。飲食店の場合、ChatGPT のレストラン予約の機能では OpenTable(世界各地)、Resy(米国)、Yelp(米国とカナダ)の空席が表示されることがあります。この対象地域からすると、日本のお店に関係しうるのは OpenTable です。使っていれば、見てもらえる入り口が一つ増えます。
- Gemini:まず Google 検索に登録されていることを確かめます。Gemini の回答の一部は Google 検索の結果に基づいているためです。Gemini アプリが回答するときにサイトの内容を参照してほしいなら、Google-Extended でブロックしません。
- Google の AI による概要と AI モード:ページがインデックスに登録され、スニペットが表示される状態にし、Search Console の検索の生成 AI 設定は「含める」のままにします。お店なら Google ビジネス プロフィール、ネットショップなら Merchant Center の情報を最新にしておきます。この二つは AI の回答に商品やサービスが表示されやすくなるのに役立つ、と Google は説明しています。成果は生成 AI パフォーマンス レポートで見ます。
- Perplexity:PerplexityBot を許可します。Cloudflare や AWS WAF を使っているなら、Perplexity の公式ドキュメント(英語)に沿って PerplexityBot と Perplexity-User を許可ルールに加えます。
- Claude:Claude-SearchBot と Claude-User を許可します。この二つを無効にすると検索結果での表示が減る可能性がある、と Anthropic は説明しています(Anthropic のクローラーに関するヘルプ)。
やめておいたほうがよいこともあります。質問の言い回しごとにページを一つずつ作ることです。主に検索ランキングや生成 AI の回答を操作する目的でこれを行うと、大量生成されたコンテンツの不正使用に当たる、と Google は明言しています。ページ数が多いからといってサイトの品質が高くなるわけでもない、とも書いています。
よくある質問
自分で ChatGPT に聞くと自社が推薦されるのに、お客様が聞くと出てこないのはなぜですか?
理由はいくつか考えられます。ChatGPT は IP アドレスから推定した位置で地域の結果を探し、メモリが有効なら好みを検索クエリに入れることもあります。答えが人によって違うのは、珍しいことではありません。条件が同じでも、AI の回答は自然に変わります。当社が同じ 14 問をもう一度尋ねただけでも、言及率は 31.5% から 41.7% に変わりました(計測方法)。シークレットウィンドウで同じ質問を何度か聞き、幅で判断してください。
Google で上位に表示されていれば、AI による概要に必ず引用されますか?
必ずではありません。AI による概要はコアとなる検索ランキング システムに基づいている、と Google は説明しています。ただ、表示の前提はページがインデックスに登録され、スニペットが表示されることで、条件を満たしても表示は保証されません。そもそも AI による概要は役に立つとシステムが判断したときにしか出ないので、表示されない検索も多くあります。
Perplexity はどのサイトから答えを探していますか? 決まったリストはありますか?
決まったリストは公開されていません。Perplexity が説明しているのは、記事、ウェブサイト、学術誌などから情報を集め、すべての回答に番号付きの引用を付けることだけです。順位の決め方も非公開です。確実にできるのは、検索結果に表示されるよう、公式の推奨どおり robots.txt で PerplexityBot を許可しておくことです。
ChatGPT と Claude は同じ検索エンジンを使っていますか?
どちらも、検索の情報源をすべては公開していません。OpenAI は ChatGPT の検索がほかの検索サービスと連携することがあるとし、ヘルプには Microsoft と Shopify のプライバシーポリシーが載っています。Anthropic のウェブ検索のヘルプに明記されているのは、Claude の画像検索に Bing を使っていることだけです。テキスト検索に何を使っているかの公式説明は見つかりませんでした。両社とも自社の検索用クローラーを持っているので、OAI-SearchBot と Claude-SearchBot は別々に許可します。
AI に何回引用されたかを知る方法はありますか?
Google と Bing には公式のレポートがあります。Search Console の生成 AI パフォーマンス レポートで AI による概要と AI モードでの表示回数を、Bing Webmaster Tools の AI Performance で Copilot での引用回数を確認できます。ChatGPT、Perplexity、Claude については、サイト所有者向けの公式レポートは見つかりませんでした。決まった質問を自分で聞くか、ツールで定期的に計測することになります。
まず ChatGPT での状況を知りたい場合は、無料クイックスキャンが使えます。対象は ChatGPT のみで、登録は要りません。1〜2 分ほどで、AI がサイトを読み取れているかの確認と、その場で 2 問を聞いた結果がわかります。ほかのサービスは、上の手順で記録してください。