お客様が ChatGPT や Google に「近くのおすすめ」を聞いたとき、お店が候補に入るには
執筆:TriloAI 編集チーム公開:
お客様が ChatGPT や Google で「近くのおすすめ」を聞くと、AI はお客様のおおよその位置をもとに検索し、地図の店舗情報やクチコミ、ウェブページの中から紹介するお店を選びます。候補に入るための基本は三つです。Google ビジネス プロフィールを正確に埋めること、本物のクチコミを積み重ねること、そして公式サイトに、何のお店か、どの地域にあるか、営業時間、おおよその価格を文字で書いておくことです。AI が必ず紹介してくれるとは誰にも約束できませんが、この三つが欠けていると、AI はお客様の質問とお店を結びつけにくくなります。
ChatGPT は「近く」を地域名に置き換えてから検索します
OpenAI のヘルプによると、ChatGPT はウェブを検索して答え、IP アドレスから推定したおおよその位置を使って、レストランなどの地域情報も探せます。ヘルプに載っている例では、「近くにあるおすすめのレストランは?」と聞かれ、お客様がサンフランシスコ周辺にいると判断すると、ChatGPT は質問を「サンフランシスコ 人気レストラン」という検索クエリに書き換えて検索パートナーに送ることがあります。近隣の店舗情報などを提供する第三者のサービスと位置情報を共有する場合がある、とも書かれています(出典:OpenAI ヘルプ「ChatGPT でウェブを検索する」)。
お店にとっての意味はこうです。お客様が口では「近く」と言っても、AI が実際に検索するのは「地域名+お店の種類」のような言葉なので、ビジネス プロフィールにも公式サイトにも地域名と業態の両方を書いておく必要があります。たとえば「福岡市中央区」と「モーニング」です。OpenAI は地域の店舗情報をどこから得ているかを公開しておらず「第三者」としか書いていないので、一つのサービスだけを整えて終わりにしないほうが安全です。
技術面の条件もあります。OpenAI によると、ChatGPT の検索結果に載る対象になるには、検索用のクローラー OAI-SearchBot のアクセスを許可しなければならず、これをブロックしたサイトは ChatGPT の検索の回答に表示されません。もう一つの GPTBot は学習データを集めるためのクローラーで、検索とは別に設定します(出典:OpenAI のクローラー説明、英語)。サイトを制作会社に任せている場合は、「robots.txt で OAI-SearchBot をブロックしていませんか」と一言聞けば十分です。順位は複数の要素で決まり、掲載の保証はない、とも OpenAI は書いています。
Google の AI による概要に特別な条件はなく、ビジネス プロフィールを最新に保つよう勧めています
Google がサイト運営者向けに公開している「AI 機能とウェブサイト」によると、AI による概要や AI モードに表示されるための追加の要件はなく、特別な最適化も要りません。ページがインデックスに登録され、検索結果にスニペットが表示されていれば、回答の横に出るサポートリンクの対象になります。ほかに技術的な条件はありません。AI による概要と AI モードは、関連する複数のサブトピックやデータソースに対して検索を行い、それをもとに回答を組み立てる場合があるとも説明しています。ベスト プラクティスの中には、実店舗に直接関わる項目が一つあります。ビジネス プロフィールの情報が最新であることを確認する、というものです(出典:Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」)。
Google マップと Google 検索のローカル検索結果について、ビジネス プロフィールのヘルプは、関連性(検索語句とビジネス プロフィールがどれだけ合っているか)、距離、知名度の主に三つで決まると説明しています。知名度には、お店にリンクしているウェブサイトの数やクチコミの数も使われ、クチコミが多く評価の高いお店ほど上位に出やすくなります。また Google は、ランキングを上げるための依頼や金銭は一切受け付けていません(出典:Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント)。AI による概要が地域のお店をどう選ぶかは公開されていませんが、AI 機能のベスト プラクティスにビジネス プロフィールが挙がっている以上、まずここを整えるのが確実です。項目ごとの入力方法はGoogle ビジネス プロフィールの AI チェックリストにまとめています。
推薦に関わる五つの場所は、情報を漏れなくそろえて食い違いをなくします
公式の説明から拾うと、関わる場所は主に五つです。
| 場所 | 公式の説明 | お店がやること |
|---|---|---|
| Google ビジネス プロフィール | 情報が充実していて正確なほどローカル検索結果に表示されやすく、正確でないと表示されないことがある。選んだカテゴリは順位に影響する | オーナー確認を済ませ、カテゴリ、住所、営業時間、属性をすべて入力する |
| クチコミ | クチコミが多く評価が高いほど、ローカル検索結果の順位に有利 | 実際に来店したお客様に自発的に書いてもらい、一件ずつ返信する |
| 公式サイト | 重要なコンテンツはテキストで示す。ChatGPT は「近く」を地域名+業態の検索語に書き換える | サービス内容、対応地域、営業時間、価格の目安、予約方法を文字で書く |
| 店名・住所・電話番号 | 看板やウェブサイト、ビジネスレターなどで一貫して使っている名前を使う | どのサービスでも同じ表記にし、移転や電話番号の変更時はまとめて直す |
| ほかのサイトでの紹介 | 知名度にはお店にリンクしているサイトの数も使われる。Google はウェブ全体の情報からもカテゴリを検出している | 地域のメディアや商店街、業界団体のサイト、ブロガーに紹介してもらうときは、店名を正しく書いて公式サイトにリンクしてもらう |
よく見かけるのは、SNS の投稿には力を入れているのに、公式サイトにはメニューの写真が一枚あるだけ、という状態です。写真の中の文字を AI が読めるとは限りません。重要なコンテンツはテキストで、というのが Google の勧めです。名前をそろえることと、ウェブ上の情報からカテゴリを検出することは Google のビジネス情報のガイドラインに、カテゴリが順位に影響することは業種を管理するに書かれています。
クチコミはお客様に自発的に書いてもらうもので、割引や特典と引き換えにはできません
クチコミについて、Google マップのポリシーははっきりしています。お店は、金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスといったインセンティブと引き換えに、クチコミの投稿や、否定的なクチコミの修正・削除を求めてはいけません。否定的なクチコミの投稿を妨げることも、満足していそうなお客様だけを選んで肯定的なクチコミを募ることも禁止です。認められているのは、インセンティブを出さず、評価や内容に影響を与えようとせずに実体験に基づく投稿をお願いすることだけで、違反したクチコミは削除されます(出典:禁止または制限されているコンテンツ - マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー)。
- OK:会計のときにクチコミ用の QR コード(作り方は Google のクチコミを増やすためのヒントに案内があります)を渡し、時間のあるときに率直な感想を書いてほしいとお願いする。
- NG:「星 5 のクチコミでドリンク 1 杯サービス」「クチコミを書いたら 100 円引き」のように、特典と引き換えにする。
- NG:満足していそうなお客様にだけ声をかける。不満のあるお客様に書かないよう頼む。
- NG:その場で書くよう求める。特定のメニュー名やスタッフの名前を入れるよう頼む。
- NG:スタッフに「毎月何件集める」というノルマを課す。スタッフや家族に書いてもらう。
日本ではこのほか、ステルスマーケティングの規制や食べログなどのクチコミサイトの規約も関わるので、日本のお店が AI に推薦されるための整え方もあわせて確認してください。
今日からできる八つのことは、ほとんど自分で済ませられます
- Google で店名を検索し、ビジネス プロフィールがあるか、自分で管理しているかを確かめ、なければ作成してオーナー確認まで済ませます。オーナー確認済みのお店は検索結果に表示される可能性が高くなる、と Google は書いています。
- メインカテゴリを、いちばん具体的なものに変えます。Google が挙げている例は、「サロン」ではなく「ネイルサロン」です。
- 営業時間を見直し、これからの祝日や店休日を「特別営業時間」で設定し、台風などで急に休むときもその日のうちに直します。
- 公式サイトを開き、トップページかサービスのページに、何のお店か、どの地域か、営業時間、価格の目安、予約方法が文字で書かれているかを確かめます。画像の中にしかない情報は、テキストでも書き足します。
- 店名・住所・電話番号の表記を一つに決め、ビジネス プロフィール、公式サイト、Instagram、予約サイトなど、すべてでそろえます。
- クチコミ用の QR コードを印刷してレジ横やレシートに載せ、本当の感想を自発的に書いてもらうようお願いします。
- 最近のクチコミに返信します。否定的なものから先に、できることとできないことを説明します。
- サイトの制作会社に、robots.txt で Googlebot と OAI-SearchBot をブロックしていないかを確認してもらいます。
シークレット ウィンドウと 5 つの質問で自分で確かめ、言及と引用は分けて記録します
ここまで整えたら、月に一度は自分で確かめます。以下は、福岡・天神のモーニングが人気のカフェを仮に想定した例です(説明用に考えた架空のお店で、実在の店舗ではありません)。
- シークレット ウィンドウを開き、ログインせずに質問します。ChatGPT はログインしなくても検索できます。OpenAI によると、メモリが有効なときは保存済みメモリを使って検索クエリを書き換えることがあるので、ログインしたまま試すと「自分向けの結果」が出てしまいます。
- お客様が実際に聞きそうで、店名を含まない質問を 5 つ用意します。たとえば「天神 週末 モーニング おすすめ」「福岡 子連れで行ける モーニング」「天神 安い モーニング」「天神 朝 7 時から開いているカフェ」「福岡 予約できる モーニング」です。
- 質問に地域名を入れます。お店の中で試せば位置はもともと近くですが、自宅で試すと別の地域と判断されることがあり、OpenAI も地域の結果がずれるときは市区町村や地域名を質問に入れるよう勧めています。
- 同じ質問を ChatGPT と Google で 1 回ずつ聞き、Google では AI による概要か AI モードの回答を見ます。両者の結果はかなり違うことがよくあります。記録は別々にし、合計して一つの点数にはしません。
- 質問ごとに三つを記録します。言及されたか(回答に店名が出たか)、引用されたか(公式サイトやビジネス プロフィールが情報源として示されたか)、回答がどの URL を引用したかです。
- 翌月も一字一句同じ質問で聞き直し、日付を書き添えます。
言及と引用は別物です。言及は AI がお店を知っていることを、引用は AI がお店のページを根拠にしていることを示します。名前は挙がったのに引用元が他人の記事だった場合、その URL を見れば、AI がどこでお店のことを知ったのかがわかります。次は、そこに載っている情報を正確で漏れのないものにしていきます。
1 回の結果で判断しないことも大切です。AI の回答はもともと変わります。当社が同じ 14 問をもう一度聞いたところ、言及率は 31.5% と 41.7% に分かれました。だから区間で見ます(可視性の算出方法)。自分で追跡するやり方の全体と、ツールに切り替えたほうがよいタイミングは、自分で AI に聞くか、ツールで追跡するかで説明しています。
よくある質問
公式サイトがなく、Instagram のアカウントだけです。AI に紹介されることはありますか?
可能性はあります。ビジネス プロフィールとクチコミは、それだけでも見られます。ただ Google によると、AI による概要と AI モードに出るサポートリンクは、インデックスに登録されたウェブページです。内容を自分で管理できるページが一つあれば、サービス、地域、価格をまとめて書けます。大きなサイトは要りません。サービス内容をきちんと書いたページが一枚あれば始められます。
広告にお金をかければ、AI に推薦されますか?
ローカル検索結果のランキングを上げるための依頼や金銭は一切受け付けないと Google は明言しており、OpenAI も、ChatGPT は複数の要素で検索結果を順位付けし掲載は保証されないとしています。広告で AI の回答に載れる、という公式の説明はどちらにもありません。
お店で聞くと出てくるのに、お客様が自宅で聞くと出てこないのはなぜですか?
場所が違えば結果も変わるからです。ChatGPT は IP アドレスからおおよその位置を推定します。ローカル検索結果でも Google は距離を見ており、お客様が現在地を共有していなければ、Google が把握している位置情報を使います。確かめるときは質問に地域名を入れます。場所で結果が変わるのは前提と考えてください。
スタッフや家族にクチコミを書いてもらってもいいですか?
いけません。現在または過去の雇用関係や家族関係は、Google のポリシーで利益相反とされ、そうしたクチコミは削除されます。1 人が複数のアカウントで投稿したクチコミも同じ扱いです。効果があるのは、実際に来店したお客様に自発的に書いてもらうことです。
整えてから、どのくらいで AI に紹介されますか?
正確な日数は誰にも言えません。各社も公表していません。できるのは、毎月同じ質問で確かめ、言及と引用に変化があるかを見ることです。
次の一歩として、まず「今日からできる八つのこと」でビジネス プロフィールと公式サイトを整え、5 つの質問で一度確かめてみてください。ChatGPT が公式サイトを読み取れているかを先に知りたい場合は、無料クイックスキャンを使えば、登録不要・約 1〜2 分でサイトをチェックし、ChatGPT で 2 問をリアルタイムに実測できます。対象は ChatGPT のみです。