日本のお店が ChatGPT や Google の AI に推薦されるための整え方——Google マップ、食べログ、Yahoo!、LINE、ステマ規制まで

    執筆:TriloAI 編集チーム公開:

    日本のお店が AI に推薦されるための準備は、Google ビジネス プロフィールや食べログの店舗ページを正確に埋め、口コミをステマ規制と各サイトの規約に沿って集めることから始まります。地域の質問に答えるとき、AI はこうした公開情報を読みにいくからです。各社の公式説明では、ChatGPT はウェブを検索し、Gemini は Google マップの情報を使い、Google の AI による概要は検索で見つけたページを裏付けにして答えます。どのお店を選ぶかの基準は、どの会社も公開していません。整えたあとは、実際に AI に質問して結果を記録します。

    LLMO や AIO と呼ばれる対策は GEO と同じく AI の回答に正しく載るための準備です

    日本では、AI の回答に自社が出るようにする取り組みを「LLMO 対策」(大規模言語モデル最適化)や「AIO 対策」(AI 最適化)と呼ぶことが多くなりました。AIO は、Google の「AI による概要」への対策という意味で使われる場合もあります。英語圏の呼び方は GEO(生成エンジン最適化)です。この言葉は、2023 年 11 月に公開された研究論文 GEO: Generative Engine Optimization で提案されました。呼び名は違っても、中身はほぼ同じです。

    店舗の場合に確かめたいのは、AI が回答の中でお店の名前を挙げるか(言及)と、お店のサイトや店舗ページを情報源として示すか(引用)の二点です。この二つは別物です。名前は挙がったのに、古い営業時間が載った別のサイトが情報源になっていれば、お客様は間違った営業時間を見て来店することになります。

    AI は地域の質問に答えるときウェブ検索と地図の公開情報を使います

    OpenAI のヘルプ「ChatGPT でウェブを検索する」によると、ChatGPT は最新の情報が役立つ質問ではウェブを検索して答え、位置情報を使ってレストランなどの地域情報も探せます。「近くにあるおすすめのレストランは?」と聞かれた場合、IP アドレスから推定したおおよその地域名を入れた検索語に書き換えることがある、という例も載っています。検索結果に載ることは保証されない、とも書かれています。掲載の対象になるには、OAI-SearchBot によるサイトのクロールを許可しておく必要があります。

    Google の「AI 機能とウェブサイト」によると、AI による概要と AI モードは、回答を作るときに裏付けとなるウェブページを特定し、リンクとして示します。表示されるための追加の要件や特別な最適化は要りません。そのうえで Google は、ビジネス プロフィールの情報を最新にしておくよう勧めています。

    Gemini アプリは、Google マップの公開情報を使ってお店を探し、住所・説明・ウェブサイト・評価・営業時間を確かめられます。ただし条件があります。ログインして「アクティビティの保存」をオンにしていないと、この機能は使えません(Gemini アプリで場所や経路の検索をする)。

    AI サービス公式に説明されている情報の取り方お店が整えておく場所
    ChatGPTウェブ検索。他の検索サービスと連携し、おおよその位置情報で地域の結果を探す自社サイト、ウェブで公開されている店舗ページ
    Google の AI による概要・AI モードGoogle 検索にインデックスされ、スニペットが表示されるページを裏付けに使う自社サイト、Google ビジネス プロフィール
    GeminiGoogle 検索と Google マップの公開情報Google ビジネス プロフィール
    Yahoo!検索生成 AI の回答はハウツーや言葉の意味、季節や数値の質問から対象を広げてきたと発表Yahoo!プレイス(2027 年 3 月終了予定)

    選び方の細かい基準は非公開です。OpenAI も「複数の要素」で順位を付けるとだけ書いています。お店の側でできるのは、AI が読みにいく場所に正しい情報を置いておくことです。

    Google ビジネス プロフィールは Google マップと Gemini が読む店舗情報の土台です

    地図や検索に出る地域の結果がどう決まるかは、ヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」に書かれています。主な要素は関連性、距離、知名度です。関連性は検索語句とビジネス プロフィールがどれだけ合っているか、距離は検索した人からお店までの距離、知名度はお店がどれだけ広く知られているかを指します。知名度には、お店にリンクしているウェブサイトの数やクチコミの数も使われ、クチコミが多く評価の高いお店ほど上位に出やすいと説明されています。

    順位はお金でも依頼でも上げてもらえません。同じページで Google がそう明言しています。お店が手を入れられるのは、情報の正確さと充実度です。ヘルプが挙げている項目は次のとおりです。

    • オーナー確認を済ませる
    • 正確な住所、営業時間(特別営業時間を含む)、ビジネスの種類、駐車場や Wi-Fi の有無などを入力する
    • クチコミに返信する
    • 写真や動画で商品やサービスを紹介する
    • 店舗の商品を追加する

    これはローカル検索の説明です。AI がお店を選ぶ基準として公開されたものではありません。それでも、Gemini は Google マップの公開情報を参照し、Google も AI 機能の説明でビジネス プロフィールを最新にするよう勧めています。年末年始やお盆の前に特別営業時間を入れておけば、AI が読みにいく営業時間そのものを正しい状態にしておけます。

    食べログは無料の店舗会員になれば営業時間やメニューを自分で直せます

    食べログの店舗情報は、ユーザーも編集できる仕組みです。公式の「食べログ店舗会員登録のご案内」によると、無料の店舗会員に登録すれば営業時間やメニュー、コースをお店が編集でき、ユーザーによる編集を止めることもできます。申し込みには営業許可証の画像が必要です。食べログの審査が終わると、お店の電話番号に確認の電話があり、そのあと使えるようになります。

    食べログ店舗会員規約は、お店が載せる情報を「画像、PR情報、店舗詳細情報、メニュー情報、クチコミへの返信など」と定めています。返信には制限があります。書けるのは、お礼、補足情報、改善結果の報告、事実と異なる情報の訂正だけです。載る前に食べログの確認と同意も要ります。反論の場には使えません。営業時間の誤りなど、事実を正したいときに使います。

    口コミの集め方には注意が要ります。食べログの口コミガイドライン(2026 年 10 月 7 日改正版)は、店舗関係者が自分の関係する店舗に口コミを投稿することを禁じています。対価を得ることやお店の PR を目的とした口コミも禁止で、無料招待で訪問した際の口コミも NG の例に挙がっています。

    どの口コミサイトを AI が参照するかは、どの会社も公開していません。とはいえ食べログの店舗ページは誰でも見られる公開ページなので、ウェブ検索を使う AI の目に触れることを前提に、内容を最新にしておくほうが安全です。美容室や整体など飲食店以外の業種でも、予約サイトや口コミサイトにある自店のページは同じ考え方で見直せます。

    Yahoo!プレイスは 2027 年 3 月末に終了するため登録済みの内容を今のうちに見直します

    Yahoo!プレイスは、Yahoo!検索や Yahoo!マップに出る店舗情報、写真、メニューなどを無料で入稿できる LINEヤフーのサービスです。ただし、終了が決まっています。2026 年 9 月 28 日の「Yahoo!プレイスサービス終了のお知らせ」によると、新規申し込みは 2026 年 11 月 30 日正午ごろまで、サービス提供は 2027 年 3 月 31 日までの予定です。終了後は管理画面に入れません。情報の更新も、クチコミへの返信もできなくなります。

    登録されたデータは終了後も LINEヤフーが維持・利用し、誤りや古い情報を直してもらうための専用窓口も終了後に用意する予定だとしています。登録済みのお店は、終了日までに営業時間や住所、写真を最新にしておけば、最後に入れた内容が LINEヤフー側に残ります。2026 年 10 月の時点で、終了まで半年を切っています。

    Yahoo!検索の店舗情報欄の並び順について、LINEヤフーは検索語句との関連性、検索の意図、距離、評価、ユーザーの反応、情報量などを考慮すると説明しています。特定の要素を良くすれば必ず順位が上がるわけではない、とも書いています(拠点情報モジュールの表示順について)。Yahoo!検索の生成 AI による回答は、2024 年 10 月にスマートフォン版、2025 年 8 月にパソコン版で始まりました(LINEヤフーのプレスリリース)。発表で対象として挙がっていたのは、ハウツーや言葉の意味、季節や数値に関する質問です。店舗探しには触れていません。

    LINE公式アカウントで告知した内容はウェブにも同じように載せます

    LINE公式アカウントは、友だち追加してくれた人にお店からお知らせを届ける仕組みです(LINEヤフー for Businessの説明)。届くのは友だちだけです。ウェブ検索で誰でも見られるページとは、そこが違います。臨時休業や営業時間の変更を LINE だけで知らせると、ウェブ上の情報は古いまま残ります。AI が参照できるのも、その古い情報です。LINE で告知したら、同じ内容を Google ビジネス プロフィールと自社サイトにも書いておきます。

    LINE と AI の関係は変わりつつあります。LINEヤフーは 2026 年 4 月に AI エージェント「Agent i」を始め、LINE公式アカウントの情報を将来 Agent i と連携させる計画も発表しました(LY Corporation の発表(英語))。店舗向けには、AI が 24 時間接客する「LINE OA AIモード」を夏ごろから順次提供すると案内しています。時期や内容は変わることがあります。使う前に、LINEヤフーの最新の案内を確認してください。

    口コミ依頼とインフルエンサー施策はステマ規制と各サイトの規約を両方確かめます

    2023 年 10 月 1 日から、広告であることを隠した宣伝(ステルスマーケティング)は景品表示法の違反になりました(消費者庁の案内)。規制されるのは商品やサービスを提供する事業者、つまり広告主で、依頼を受けたインフルエンサーは対象外です。責任を問われるのは、頼んだお店の側です。SNS の投稿やレビュー投稿も対象です。違反が認められると、消費者庁は事業者に措置命令を出します。

    どこからが「事業者の表示」になるかは、消費者庁の「ステルスマーケティングに関するQ&A」に具体例があります。店舗に関係の深いものを表にしました。右の列は法律とは別の、各サイトの規約です。

    やりたいことステマ規制(消費者庁 Q&A)Google マップ・食べログの規約
    割引やクーポンと引き換えに口コミ投稿を頼む(内容は指定しない)通常は「事業者の表示」に当たらない(Q6・Q7)Google マップは、クチコミと引き換えに割引や無料の商品などのインセンティブを出すことを禁止
    「星5」や褒めるコメントを条件にする「事業者の表示」に当たり、そうと分かる表示がなければ違反(Q6)Google マップは、特定の内容を含めるよう頼むことや、肯定的なクチコミだけを選んで募ることを禁止
    インフルエンサーに報酬を払って投稿を頼む「事業者の表示」に当たる可能性が高く、依頼を受けた投稿だと分かる記載が必要(Q19)食べログは、対価や PR を目的とした口コミと、無料招待で訪問した際の口コミを禁止
    スタッフが自分の SNS やクチコミ欄で自店を紹介する販売促進を担う立場の人の投稿は「事業者の表示」に当たる場合がある(Q3)食べログは店舗関係者の投稿を禁止。Google マップも雇用関係などの利益相反に基づく投稿を禁止
    好意的な口コミだけを選んで自社サイトに「お客様の声」として載せる「事業者の表示」に当たる(Q10)自社サイトの表示なので、景品表示法の考え方で判断する

    表示のしかたは、「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」といった言葉を入れるのが基本です。「A社から商品の提供を受けて投稿している」のような文章でもかまいません(Q11)。投稿の本文ではなくリプライ欄に書くだけでは、見る人が気づかないおそれがあり、明瞭とはいえない場合が多いとされています(Q14)。2023 年 10 月より前に頼んだ投稿でも、いまも表示が続いていれば違反の対象になる可能性があります(Q20)。

    法律上は問題になりにくい頼み方でも、Google マップの規約では禁止されていることがあります。表の 1 行目がその例です。マップのポリシーではっきり認められているのは、特典を付けず、評価や内容に口を出さずに、実際に来店した人へ投稿をお願いするやり方です(マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー)。会計のときに「よろしければ Google マップに感想をお寄せください」と声をかける程度なら、どちらの基準にも沿っています。

    個別の判断に迷うときは、消費者庁の相談窓口や専門家に確認してください。

    今日からできることは店舗情報の更新と口コミ依頼の見直しです

    ほとんどは、お店の人が自分でできる作業です。

    1. Google ビジネス プロフィールでオーナー確認を済ませ、住所、営業時間、特別営業時間、ビジネスの種類、駐車場や Wi-Fi の有無を埋めます。
    2. Google マップのクチコミに返信します。お礼と、事実と違う点の訂正を落ち着いた言葉で書きます。
    3. 飲食店なら食べログの無料の店舗会員に申し込み、営業時間、メニュー、コースを最新にします。
    4. Yahoo!プレイスに登録済みなら、2027 年 3 月 31 日の終了前に情報を見直します。新しく申し込めるのは 2026 年 11 月 30 日正午ごろまでです。
    5. LINE公式アカウントで流した休業や営業時間の変更を、Google ビジネス プロフィールと自社サイトにも書きます。
    6. 自社サイトがあれば、robots.txt で OAI-SearchBot を拒否していないか、ページが Google 検索に登録されているかを確認します。制作会社に任せている場合は、この二点を伝えて確認してもらいます。
    7. 口コミ依頼の文面とインフルエンサーへの依頼内容を、上の表と照らし合わせて見直します。
    8. 月に 1 回、次の節のやり方で AI に質問し、結果を記録します。

    AI での見え方はシークレットウィンドウで同じ質問をして記録します

    整えた結果は、AI に実際に聞いて確かめます。まずブラウザのシークレットウィンドウを開きます。ログインしていない状態で質問してください。ChatGPT はログインしていなくてもウェブ検索を使えます。メモリ機能が有効なアカウントでは、保存された情報が検索語の書き換えに使われることがあり、普段使いのアカウントで聞くと、初めてのお客様が見る答えとずれてしまいます。手順は次のとおりです。

    1. お店の名前を入れずに、お客様が実際に打ちそうな質問を 5〜10 問用意します。たとえば「吉祥寺 駅近 子連れで入れるカフェ」「横浜 日曜に開いている整体」のような形です(地名と業種は例です)。
    2. 質問には市区町村名や駅名を入れます。OpenAI も、地域の結果がずれるときは市区町村名や郵便番号を入れるよう案内しています。
    3. ChatGPT、Google の AI による概要、Gemini で同じ質問をし、サービスごとに分けて記録します。Gemini で地図の情報を使う機能は、ログインと「アクティビティの保存」が条件です。ログアウトして聞いた結果とは分けて考えます。
    4. 日付、店名が出たか(言及)、自店のサイトや店舗ページが情報源に出たか(引用)、情報源になったサイトの URL を書き残します。
    5. 翌月も同じ文面のまま聞き直します。

    1 回の結果で判断しないでください。AI の回答は、聞くたびに変わります。当社が 2026 年 9 月に行った内部テストでは、同じ 14 問をもう一度尋ねただけで、言及率が 31.5% から 41.7% に変わりました(計測方法)。サービスによっても結果は大きく違います。全部をまとめた一つの点数にはせず、サービス別・月別に見比べてください。手作業のやり方と限界は「AIに自分で聞くか、ツールを使うか」にまとめています。

    よくある質問

    MEO 対策をしていれば、AI 対策もできていますか?

    土台の多くは共通です。Google は AI 機能について特別な最適化は要らないとしたうえで、ビジネス プロフィールを最新にするよう勧めており、Gemini も Google マップの公開情報を使います。一方で ChatGPT は、他の検索サービスと連携してウェブを検索すると説明しています。ChatGPT の答えが地図の情報だけで決まるとは限らないので、自社サイトや食べログなどの店舗ページも合わせて整えます。

    口コミを書いてくれたお客様に割引するのはステマになりますか?

    ステマ規制の上では、内容を指定しなければ通常は該当しません(消費者庁 Q&A の Q6)。ただし「星5」や褒めるコメントを条件にすると事業者の表示になります。また Google マップの規約では、割引などのインセンティブと引き換えにクチコミを頼むこと自体が禁止です。特典を付けずにお願いするのが、いちばん問題になりにくい方法です。

    食べログに知らないうちに載っている店舗情報は直せますか?

    直せます。無料の店舗会員に登録すると営業時間やメニュー、コースを編集でき、ユーザーによる店舗情報の編集を止めることもできます。申し込みには営業許可証の画像が必要で、食べログの審査と電話での確認があります。

    AI にお店の名前が出てこないのは、口コミが少ないからですか?

    はっきりとは分かりません。お店を選ぶ詳しい基準は、どの会社も公開していないからです。ローカル検索についてはクチコミの数と評価が知名度に関わると説明されていますが、それが AI の回答にどう影響するかまでは書かれていません。まず店舗情報の誤りをなくします。そのうえで同じ質問を何度か聞き、傾向を見てください。

    AI 向けに特別なページを作る必要はありますか?

    必要ありません。Google は、AI による概要や AI モードに表示されるための追加の要件はなく、特別な最適化も不要だとしています。サポートリンクとして出る条件は、ページが Google 検索にインデックスされ、スニペットが表示されることです。専用のページを大量に作るより先に、営業時間やメニュー、アクセスなど、お客様が知りたいことを既存のページに正確に書いておきます。

    店舗情報と口コミの集め方を見直したら、次は AI から実際にどう見えているかを確かめる番です。自社サイトを AI が読み取れているかと、ChatGPT に 2 問聞いた結果は、無料クイックスキャンで確認できます。対象は ChatGPT のみです。登録は要らず、1〜2 分ほどで終わります。