AI 可視性レポートをクライアントにどう見せるか:各セクションが答えるクライアントの疑問

    執筆:TriloAI 編集チーム公開:

    AI 可視性レポートには多くの数値が並びますが、クライアントが本当に知りたいのは 3 つだけです。AI に言及されているか、誰に負けているか、次に何をするか。ほかのセクションは、この 3 つの答えを裏づける根拠です。

    以下では GEO by TriloAI のレポートを例に、セクションごとにクライアントのどの疑問に答えるのかを説明します。現在サンプルレポートは公開していないため、本記事では各セクションの内容を文章で説明します。ほかのツールを使っている場合も、同じ問いをそのツールのレポートに当てはめてみてください。

    8 つのタブがそれぞれ 1 つの疑問に答える

    タブ内容答えるクライアントの疑問
    概要推移グラフ、GEO スコアと 6 つの指標、プラットフォーム別の可視性、シェア・オブ・ボイス、引用元の統計、ブランド権威、サンプル数と区間全体として、AI から見えているか
    戦略前回の分析との比較、意思決定者向けのエグゼクティブサマリー、実務担当者向けのアクションリスト(すぐに、今月、四半期)まず何から手をつけるか
    競合分析ブランドの可視性ランキング、失点した質問(自社ではなく競合が挙げられた質問)、推薦された理由、競合の主な訴求誰に、なぜ負けているか
    AI 回答各質問に対する各プラットフォームの元の回答この数値はどこから来ているのか
    ギャップ分析言及されなかった質問とプラットフォームを、機会の大きさで高・中・低に分けたものどの種類の質問で自社がまったく出てこないか
    コンテンツ設定で選んだ露出チャネル向けの原稿案まず何を書けばよいか
    AI 感情分析AI がブランドに触れたときの肯定・中立・否定の割合AI は自社をどう表現しているか
    SEO 診断サイトの技術チェック、AI クローラーをブロックしていないか、構造化データ、AI が実際に検索した語句サイトが AI を締め出していないか、AI が検索した語句に対応するページがあるか

    最初に伝える 3 つの数値

    1. 言及率:すべての回答のうち、ブランドに触れた回答の割合です。最も直感的で検証もしやすい数値で、レポートには 95% 区間も表示されます。
    2. 推薦と順位:言及されることと推薦されることは別です。レポートでは「言及」と「推薦リストへの掲載」を分けて数え、何番目に挙がったかも見ています。可視性スコアは、これらを重み付けして算出したものです(計算方法は可視性の算出方法)。
    3. 失点した質問の数:AI が同じ種類のブランドを推薦したのに、クライアントは選ばれなかった質問の数です。クライアントが最も実感しやすく、施策にもつなげやすい数値です。

    言及率・可視性・GEO スコアは別の数値

    • 言及率:ブランドに触れた回答の割合。最も単純な数値です。
    • 可視性:回答ごとに、言及の有無、推薦の有無、順位、説明の詳しさで採点します。否定的に言及された場合は推薦の加点をしません。そのうえでプラットフォームごとに重み付けし、0〜100% にまとめます。
    • GEO スコア:6 つの指標の加重合計で、内訳は引用されやすさ 25%、ブランド権威 20%、コンテンツ信頼性 20%、テクニカル SEO 15%、AI 可視性 10%、プラットフォーム対応 10% です。「サイトとブランドが AI に引用される準備ができているか」に近い数値で、AI が実際に言及したかどうかは 10% にすぎません。

    そのため、クライアントに「このスコアは高いのか低いのか」と聞かれたら、まずどのスコアの話なのかをはっきりさせます。月次レポートは言及率と失点した質問を中心にし、GEO スコアはサイトの体質を示す参考値として扱うのがおすすめです。

    AI の回答は変わる:区間と「要確認」で説明する

    同じ質問でも、今日と明日では AI の回答は一字一句同じにはなりません。当社が 2026 年 9 月に行った内部テストでは、同じ 14 問をもう一度尋ねただけで、言及率が 31.5% から 41.7% に変わりました。そのため、レポートでは 1 つの数値だけを示すことはしません。

    • サンプル数:今回何問、何件の回答を使ったかを記載します。質問数が 50 問未満の場合は「探索的な計測」と表示されます。
    • 95% 区間:言及率には区間が付き、区間が複数の段階にまたがると「要確認」が付きます。もう一度計測することをおすすめします。
    • 再質問:フル分析では、一部の回答(ブランドへの言及があるものを優先)を ChatGPT・Gemini・Perplexity・Claude でもう一度尋ね、再質問で出てこなかったブランドはその回答のスコアを半分にします。分析の時間が足りないときはこの手順を省きます。
    • 前回との比較:レポートは、質問が十分に重なっている前回の分析とだけ比較します。質問が大きく変わった場合は前後の差を表示せず、推移グラフでも 2 回の結果を線でつなぎません。

    クライアントに説明するときは、区間をそのまま伝えます。「今回の言及率はおおよそ何割から何割のあいだです」と伝えるほうが、1 つの数値だけを示すより説得力があり、翌月の変動で説明が崩れることも少なくなります。

    失点した質問:最も施策につなげやすいセクション

    失点した質問とは、AI が同じ種類のブランドを推薦したのに、クライアントは推薦されなかった質問です。質問ごとに、AI が誰を選んだのか、推薦された理由、クライアントに何が足りないのかを確認できます。クライアントに見せるときは、商談への影響が大きい 3 問(価格や比較の質問など)を選び、それぞれ「競合はこの理由で推薦された。こちらはこれを補える」と 1 行で書けば、そのまま翌月の作業リストになります。

    引用元:AI はどのサイトをもとに答えたのか

    引用元の統計には、AI が回答で引用したドメインと出現回数が並びます。このセクションが改善の方向を決めます。AI がある比較サイトやメディアを何度も引用しているなら、そこが露出を狙うべき場所です。クライアント自身のドメインが一度も出てこないなら、AI の検索がクライアントのページを拾えていないということです。

    このセクションを見るときは、ドメイン名だけでなく実際の URL を開いて確認してください。同じドメインの下にまったく性質の違うページがあることもあります。たとえば google.com の下には地図のページも技術ドキュメントもあります。ドメインだけで分類すると、改善の方向を誤りやすくなります。

    納品前のチェックリスト

    1. 別名を入力したか:クライアントの英語名、略称、親会社名をすべて入力します。AI が別の名前でクライアントに言及しても、別名が入っていなければ「言及なし」と数えられます。
    2. 質問がずれていないか:どの質問もクライアントの顧客が実際に尋ねそうな内容にし、関係のない業界の質問を混ぜないようにします。
    3. 競合が同じカテゴリーか:AI が挙げる競合は、別の種類の製品であることがあります。たとえばソーシャルリスニングのツールと AI 可視性ツールは、同じリストに並びがちです。クライアントに説明するときは、カテゴリーごとに分けて話します。
    4. ブランド名が一般的な単語でないか:ブランド名がたまたま一般的な英単語の場合、検索量に関する数値は割り引いて見ます。その単語を検索した人が、そのブランドを探しているとは限らないためです。
    5. レポートの言語は正しいか:市場とレポートの言語は別々に選びます。納品前に、クライアントが読める言語になっているか確認します。
    6. ホワイトラベルの設定:PDF の会社名・ロゴ・ブランドカラーはアカウント設定で、共有リンクの会社名とロゴはリンク作成時に設定します。

    月次レポートに入れるセクション

    • 1 ページ目:今月の言及率(区間付き)、推薦された質問の数、先月との比較(質問が同じときだけ)。
    • 2 ページ目:最も対応すべき失点した質問 3 つと、それぞれの原因と対策を 1 行ずつ。
    • 3 ページ目:引用元の変化と、クライアント自身のドメインが出てきたかどうか。
    • 4 ページ目:今月やったことと、来月やること。
    • 付録:SEO 診断、コンテンツ案、各プラットフォームの元の回答。クライアントの実務チーム向けです。

    戦略タブに、現在のギャップから推定した改善幅が表示されることがありますが、これは想定シナリオであって約束ではありません。月次レポートに載せる場合はその旨を明記するか、載せないでおきます。

    納品方法:PDF と共有リンク

    書き出した PDF は、代理店の会社名・ロゴ・ブランドカラーに差し替えられます(アカウント設定のホワイトラベル設定で入力)。ヘッダーとフッターが自社のブランドになります。共有リンクも作成でき、有効期限は 7 日・30 日・90 日・無期限から選べ、会社名とロゴの設定、原稿・SEO・競合のセクションの非表示ができ、不要になればいつでも取り消せます。共有リンクの URL は geotriloai.com のままなので、ツール名をクライアントに見せられない場合は PDF で納品してください。代理店との協業の条件は代理店向けプランをご覧ください。

    よくある質問

    クライアントが GEO スコアを理解できない場合は?

    GEO スコアから説明を始めないことです。言及率と失点した質問から話し、GEO スコアはサイトの体質を示す参考値として、6 つの指標があり、AI が実際に言及したかどうかは 10% にすぎないことを伝えます。

    レポートを自社のブランドに差し替えられますか?

    できます。PDF の会社名・ロゴ・ブランドカラーはアカウント設定で、共有リンクの会社名とロゴは作成時に設定できます。レポートをクライアントに再販することもでき、当社から代理店のクライアントに直接連絡することはありません(代理店向けプラン)。

    月に何回分析し直せばよいですか?

    多くのクライアントは月 1 回で十分です。大切なのは毎回同じ質問を使うことです。サイトを改修して効果を確かめたいときは、数週間おいてもう一度分析します。フル分析は 1 回につき 3 クレジットを消費します。毎月の納品の組み立て方は代理店が GEO 支援を始めるにはをご覧ください。