代理店が GEO(LLMO・AIO 対策)支援を始めるには:最初の計測から月次レポートまで

    執筆:TriloAI 編集チーム公開:

    「なぜ ChatGPT はうちを推薦してくれないのか」という質問を、代理店に投げかけるクライアントが増えています。これは検索順位のレポートでは答えられません。GEO(生成エンジン最適化。日本では LLMO 対策・AIO 対策とも呼ばれます。入門ガイド)は、まさにこの問題を扱う取り組みで、ChatGPT・Gemini・Perplexity・Google の AI による概要の回答で、ブランドに言及・推薦してもらうことを目指します。代理店にはもともと SEO・コンテンツ・SNS の力があり、GEO の支援は多くの場合、その仕事を AI の回答まで広げ、計測を加えたものです。

    本記事は、広告代理店、デジタルマーケティング会社、SEO・SNS 運用代行会社向けの実務の流れです。当社は計測ツール GEO by TriloAI を開発しているため、例としてこのツールを使いますが、流れ自体は他のツールでも同じように使えます。

    まず何を売るのかを決める:計測、改善、またはその両方

    • 計測:同じ質問セットで定期的に AI に尋ね、レポートを納品します。提案の入り口として、または既存の SEO レポートの追加項目として向いています。
    • 改善:レポートをもとにコンテンツを補い、サイト上の事実を整理し、第三者からの言及を増やします。代理店がもともと得意とする仕事です。
    • 両方:計測を基準に、改善をサービスとして提供します。毎月同じ質問で計測し直し、クライアントが前後の変化を確認できるようにします。

    ツールは計測するだけで、改善するのは人です。当社の役割分担もこの考え方に沿っています。GEO by TriloAI は計測ツールで、運用代行は代理店のサービス領域です。レポートは代理店のブランドに差し替えてクライアントに渡すことも、再販することもでき、当社から代理店のクライアントに直接連絡することはありません(代理店向けプラン)。

    ステップ 1:まず自社を計測する

    クライアントを計測する前に、自社で一度分析を実行してみてください。レポートの各セクションが何を示すのかがわかり、実際にやってみて初めて気づくことにも出会えます。当社自身もそうしてきました(自社事例)。

    当社がつまずいた例を一つ挙げます。2026 年 10 月に自社製品を分析したところ、Perplexity は「台湾の AI 可視性ツール」を尋ねる質問で当社を推薦リストに入れていましたが、使っていた名前は製品名の GEO by TriloAI ではなく社名の TriloAI でした。このときは別名を入力していなかったため、レポートでは「言及なし」と数えられていました。クライアントのブランドも同じで、英語名、略称、親会社名、旧名が AI の実際に使う名前であることがあります。

    ステップ 2:試験的に 1 社を選び、基準をつくる

    1. クライアントを選ぶ:協力的で、AI の回答に明確な競合が出てくるクライアントを選びます。すでに事業をしている市場から始めると、数値を判断する基準ができます。
    2. 質問をつくる:クライアントの顧客が実際に使う言葉で書き、クライアントのブランド名は入れません(入れると計測ではなく AI への誘導になります)。GEO by TriloAI の設定画面では、推薦・比較・価格・不安・地域・ロングテール・乗り換えの 7 種類で質問案が作られます。1 問ずつ人が確認し、関係のない業界に話がそれていないか、ターゲットの顧客が本当に言いそうな言葉かを見てください。合わないものは書き換え、自分で質問を追加することもできます。自分で入力した質問はそのまま使われます。
    3. 別名と競合を入力する:詳細設定にクライアントの別名(英語名・略称・親会社名)と比較したい競合を入力します。ブランド管理画面では「固定で追跡する競合」(最大 10 社)も設定でき、以後の分析では毎回これらと比較します。AI が挙げる競合は同じカテゴリーとは限らず、ソーシャルリスニングのツールと AI 可視性ツールが同じリストに並ぶこともよくあるため、競合を指定しておくと比較の対象がそろいます。
    4. 市場とレポートの言語を選ぶ:台湾・米国・日本・韓国・中国・グローバルの 6 市場に対応し、レポートは日本語・英語・韓国語・繁体字・簡体字で出力できます。日本市場では、質問は日本語で、日本の都市を使って尋ねます(翻訳した質問ではいけない理由)。
    5. 最初のフル分析を実行する:ChatGPT・Gemini・Perplexity・Google の AI による概要・Claude の 5 つの AI プラットフォーム(中国市場では DeepSeek・Kimi・通義千問の 3 つ)に最大 15 問を尋ね、3 クレジットを消費します。これが基準になります。

    ステップ 3:レポートをクライアントにわかる 3 つの文にする

    クライアントがすべてのページを読む必要はありません。まず 3 点を伝えます。AI に言及・推薦されているか。誰に、どの質問で負けているか。AI がどのサイトを引用しているか。詳しい読み方はAI 可視性レポートの見せ方にまとめています。

    ステップ 4:毎月の納品物を設計する

    • 質問を固定する:毎月の再分析の前に、質問が先月と同じかを確認します。レポートは質問が十分に重なっている前回の分析とだけ比較し、質問が大きく変わると前後の差は表示されません。確実に同じ質問にするには、設定画面のステップ 4 で同じ質問セットを自分で入力します。
    • 複数のクライアントをまとめて実行する:ブランド管理画面ではタグでクライアントをグループ分けでき、複数のブランドを選んで一括分析もできます。
    • 単発ではなく傾向を見る:AI の回答は毎回変わるため、レポートには言及率の 95% 区間が表示され、区間が複数の段階にまたがると「要確認」が付きます。月次レポートでは、区間が重ならない変化だけを本当の変化として扱います。
    • 納品方法:アカウント設定で会社名・ロゴ・ブランドカラーを入力すると、書き出した PDF のヘッダーとフッターが自社ブランドになります。共有リンクも作成でき、有効期限(7 日・30 日・90 日・無期限)、会社名とロゴ、原稿・SEO・競合のセクションを非表示にする設定ができ、不要になればいつでも取り消せます。共有リンクの URL は geotriloai.com のままなので、ツール名をクライアントに見せられない場合は PDF で納品してください。PDF の書き出しと共有リンクがプランに含まれるかは、見積もりに明記します。

    ステップ 5:料金とツールのコスト

    GEO の支援をクライアントにどう請求するかは代理店によって異なります。説明しやすい分け方の一つは、単発の診断、毎月の計測レポート、改善の実作業を別々に見積もることで、クライアントはそれぞれに何を払っているのかを理解しやすくなります。ツールのコストは「クライアントごとに月何回分析するか」で考えると簡単です。GEO by TriloAI はフル分析 1 回につき 3 クレジットなので、10 社をそれぞれ月 1 回分析すると月 30 クレジットです。当社は個別見積もりで、ブランド数・市場・月あたりの分析回数をもとにお見積もりします(プランとお見積もり)。各ツールの課金方式の比較はGEO ツールの料金体系をご覧ください。

    クライアントに約束してはいけないこと

    • 順位や期間、何ポイント上がるかを保証しない:AI プラットフォームは順位付けのルールをすべて公開しておらず、回答も毎回変わります。
    • 1 回の数値を傾向として扱わない:当社が 2026 年 9 月に行った内部テストでは、同じ 14 問をもう一度尋ねただけで、言及率が 31.5% から 41.7% に変わりました。
    • llms.txt や構造化データを入れれば推薦されるとは言わない:Google は、AI 機能に表示されるために特別なファイルやマークアップは不要だと公表しています(出典)。
    • 1 つのプラットフォームだけを見ない:同じスキャンでも、プラットフォームによって 3 倍以上の差が出ることがあります(実測)。

    GEO by TriloAI との協業

    • 代理店のクライアントには手を出しません:レポートは代理店のブランドに差し替えられ、再販もでき、当社から代理店のクライアントに直接連絡することはありません。
    • 試用:代理店向けプランから申し込むと、審査のうえ、管理画面でフル分析 1 回分(3 クレジット)を開通します。
    • 個別見積もり:見積もりフォームからご連絡いただくと、1 営業日以内に担当者からご連絡します。見積もりはブランド数・市場・月あたりの分析回数で決まります。
    • 無料クイックスキャン:無料クイックスキャンは ChatGPT のみを確認するもので、提案前にざっと見るのに向いています。メールアドレス 1 件につき 1 回までなので、複数のクライアントの提案には代理店向けの試用をご利用ください。
    • お問い合わせ:service@triloai.org。

    よくある質問

    GEO を提供するには高い技術力が必要ですか?

    ゼロから学ぶ必要はありません。GEO の改善作業の多くは、SEO・コンテンツ・PR がもともと行っていることです。事実をわかりやすく書く、第三者の言及を増やす、検索クローラーがサイトを読めるようにする。新しく加わるのは計測と、AI の回答がなぜ変わるのかをクライアントに説明することです。

    最初の月に何を納品すれば、クライアントに納得してもらえますか?

    次の 3 つをおすすめします。基準となるレポート(5 つのプラットフォーム、質問一覧、誰に負けているか)。対応すべき負けた質問 3 つと、競合が推薦された理由。今月すぐにできる施策 1〜3 件。最初の月から数値がどれだけ上がるかは約束しないでください。

    AI の回答は毎回違います。レポートが不正確だと言われませんか?

    変動は事実なので、最初に説明しておきます。フル分析では、一部の回答(クライアントへの言及があるものを優先)を ChatGPT・Gemini・Perplexity・Claude でもう一度尋ね、再質問で出てこなかったブランドはその回答のスコアを半分にします。分析の時間が足りないときはこの手順を省きます。レポートには言及率の 95% 区間も表示され、区間が広すぎると「要確認」が付きます。区間も一緒に伝えるほうが、1 つの数字だけより説得力があります。

    クライアントの台湾や韓国の市場も計測できますか?

    できます。GEO by TriloAI は台湾・米国・日本・韓国・中国・グローバルの 6 市場に対応し、現地の言語と都市で質問します。レポートの言語は市場とは別に選べるので、台湾市場の結果を日本語のレポートで確認できます。

    クライアントのブランドや競合をツールに入れても、機密の面で問題はありませんか?

    計測では質問、クライアントのブランド名、競合名を AI に送って尋ねる必要があるため、これらのデータは問い合わせ先の AI プラットフォーム(OpenAI、Google、Perplexity、Anthropic など)と関連するデータサービスに送られます。処理を委託している事業者の一覧はプライバシーポリシーに記載しています。プライバシーポリシーには、個人データを販売しないこと、当社独自のモデルの学習に使わないことも明記しています。当社から代理店のクライアントに直接連絡することもありません。クライアントとの契約にデータの移転について特別な定めがある場合は、事前にプライバシーポリシーをクライアントにご確認いただくことをおすすめします。